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著者:桜庭一樹 / 出版社:文藝春秋 / 発売日:2022年1月25日 / 単行本:269ページ / ジャンル:日本文学
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書籍価格:1650円(税込)
特典価格:1650円(税込)
(特典内容:2022年4月12日(火)19:00~21:00開催のオンライン読書会への参加チケット)
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溺れているとき、苦しいとき、正論がいつも命綱だったーー。
桜庭一樹さん初の自伝的小説『少女を埋める』が、1月25日、文藝春秋より刊行されました。
2021年2月。7年ぶりに声を聞いた母からの電話で、父の危篤を知らされた小説家の〈わたし〉。
父の最期を看取るため、コロナ禍の下、故郷・鳥取に帰省したわたしは、母を支える弔いの日々を通じて、解体してしまった家族の間にも確かにあった愛情を見つめ直すいっぽうで、かつて自分が東京に逃れずにはおられなかった故郷の因習的な不文律を再認識する。
東京に戻ってきてからも、〈なぜだか損なわれてしまったらしい何か〉が、彼女の暮らしを空虚にしてゆく。
その何かを取り返すために、帰郷に関わる出来事と、自分が考えたことを、時系列に沿って文章にしはじめるのだがーー。
本書は、「文學界」掲載時から話題を呼んだ表題作と、発売後に巻き起こった論争の日々のなかでの葛藤と思案を描いた続編「キメラ」「夏の終わり」の3編を収録します。
読むことにとても力の要る作品だということを、先にお伝えしておきます。
例えばそれは店主でいうと、私も〈わたし〉を生きた過去があったから。
家族や故郷にたいして感じていたこと(感じるそばから「諦め」が作動してうやむやにしていたこと)が、「少女を埋める」には書かれていました。
さらに「キメラ」で明かされた本作発表後の一連の騒動。
SNSのタイムラインを追うだけでは当然のことながら知り得なかった当事者の時間がつぶさに描かれていて、書き手を思いながら読むことが、とても苦しかった。
けれど、書くことで事象や対象と、あるいは自分の書いたものと向き合っていく姿には、桜庭一樹を作家たらしめる気迫も感じました。
〈事象である期間はやがて終わり、小説が残った。/わたしは小説で、わたしが残る〉
この言葉が、読後も残響しています。
同時に、ある特徴的な書き方から推察される「わたし」の孤独は、書くことで、果たして晴れたのだろうかという疑問も残ります。
そして知りたくなりました。
小説として残った「わたし」を、読者はどう受け取ったのかを。
そこでコトゴトブックスでは、『少女を埋める』に著者・桜庭一樹さんと共に語らう読書会のチケットを添えて、あなたに向けてさしおくっていきます。
因習的な故郷、女性への理不尽な価値観、いわれなき侮蔑、それらを受け流すたびに傷つく自尊感情、メディアからの暴力……。
おそらく、ひとりひとりが本作から聞き取った声は、ひとつとして同じではないでしょう。
どう聞こえたか、受け取ったかを語ることは、その人の生き方ものの捉え方を示すことであるとも思います。
『少女を埋める』越しに、社会を、そして自分自身をみつめてみませんか?
★オンライン読書会参加チケット単品をお求めの方はこちらから。
https://cotogotobooks.stores.jp/items/61f0f45ac15c5a7b0f6839a5
【オンライン読書会について】
日時:2022年4月12日(火)19:00~21:00
開催方法:zoomミーティング機能を使用します。
参加方法:ビデオ・マイクをONにしてご参加ください(任意)。
URLは別途お送りいたします。
【ご購入後の流れ】
・書籍は入金確認翌日にレターパックプラスでお送りいたします。
・ オンライン読書会はzoomを使用して開催いたします。3月下旬に、参加詳細と併せて、事前アンケートをメールにてお送りいたします。
・事前アンケートは、読書会に先駆けて桜庭一樹さんに共有させていただきます。
・読書会終了後にはアーカイブ動画もお送りします。アーカイブのみの販売はございません。
※ hello[アット]cotogotobooks.com からのメールを受信できるように設定してください。