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著者:朝比奈秋 / 出版社:新潮社 / 発売日:2024年7月12日 / 単行本:144ページ / ジャンル:日本文学
──心臓は一つしかないから、死ぬのは同じ瞬間しかありえない、そう思っていた。
朝比奈秋さんの最新小説『サンショウウオの四十九日』が新潮社より刊行されました。
周りからは一人に見える。でも私のすぐ隣にいるのは別のわたし。
ひとつの体を共有する「結合双生児」として生まれた杏と瞬は、久しぶりに帰省した実家で、父と叔父の生い立ちに思いを馳せる。
ふたりの父=若彦もまた、かつては「胎児内胎児」という結合双生児であり、生後1年間を兄=勝彦の体の中で育ち、手術によって取り出された過去があった。
切り離されて以来健康に成長してきた父に反して、病気がちだった叔父。その叔父の突然の死を受けて、杏と瞬はあらためて、ふたつの意識がひとつの体を共有して生きること、命の所在について考えていくのだった。
〈死が主観的に体験できない客観的な事実で、本当に恐れるべきは肉体の死ではなく意識の死ならば、どういったことで意識は死を迎えるのだろうか。〉
第171回芥川賞を受賞した本作は、同じ身体を生きる姉妹、その驚きに満ちた普通の人生を描いた物語。
著者の朝比奈秋さんは、医師として勤務しながら小説を執筆し、意識と身体の変容をテーマにした作風を通して、生きるとはどういうことか、体とは、精神とは、自我とはという問いに対する豊かな想像力を、私たち読むものに与えてくれています。
今回コトゴトブックスは、『サンショウウオの四十九日』サイン本を限定販売します。
著者直筆サインとともに作品をお楽しみください。
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