※二刷のデザインは三口小口染めではなくなります。
制作・出版:COTOGOTOBOOKS / 初版発売日:2022年7月12日 / 文庫本:224ページ / ジャンル:アンソロジー
★西村賢太さん遺作『雨滴は続く』とのセット販売はこちら
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西村賢太さんを偲び、コトゴトブックスは「西村賢太追悼文集」を刊行します。
この文集は、遺作『雨滴は続く』(文藝春秋)の特典として制作し、単品での販売も実施します。
「本気を出してあげようか?」
時は2004年、北町貫多は「けがれなき酒のへど」でついに文壇デビューを果たすーー。
『雨滴は続く』は、同人誌に発表した小説が「文學界」に転載されるかたちでデビューして以降、「どうで死ぬ身の一踊り」が芥川賞候補作になるまでを描いた、遺作にして未完の長編小説。
まさに私たちが知る「私小説家・西村賢太」誕生前夜までを、1000枚に及ぶボリュームで綴ります。
小説のなかで貫多は相変わらず藤澤清造を寄る辺とし、”歿後弟子”としての責務である全集刊行に奔走し、みずからも書くことで清造の名を語り継ぐ。
つねに金はなく、買淫では埋められぬ孤独を抱え、女に岡惚れしては振られた腹いせに呪詛の言葉をほき捨て、出自と世間を呪いながらも、それでもなお、生きていく。
「生きる」というどうしようもなさをこれでもかと書き連ねながら、しかし2月5日、西村さんは急逝されました。
最後の作品を、読者はどう受け取るでしょうか。
そもそもみなさんにとって、西村賢太という作家とその作品は、どのような存在だったのでしょうか。
知らせを受け、こみ上げる思いを話し合える相手が身近にいた人もいれば、戸惑いや悲しみをひとり抱えるしかなかった人もいたと思います。むしろ西村さんの読者は、後者のタイプが多かったのではないでしょうか。
そういう方がいまだ感情を言葉として放てずにいるとしたら、その場所を、コトゴトブックスで作りたいと思いました。
何年先までも、西村さんを慕う声に触れられる場所を、本というかたちにしたいと考えました。
本を開けばいつでも、誰かにとっての西村賢太に触れられるような一冊。
作家も出版関係者も、西村さんが生前親しくされていた方も、そして一般読者も、好き好きに声を持ち寄り集まった、まるで賑やかなお通夜のような一冊です。
西村さんは「好き勝手言ってやがる!」と言うかも知れません。でも、「しょうがない奴らだ」と笑ってくれるような気もするのです。
「西村賢太追悼文集」に集まった声が、西村さんの作品と響き合うようなものになったなら、そんなに嬉しいことはありません。
【「西村賢太追悼文集」詳細】
寄稿者(敬称略、50音順)
朝吹真理子(作家)
阿部公彦(英文学者)
荒川義雄(朝日書林)
伊藤雄和(オールディックフォギー)
川島幸希(元初版本コレクター)
鴻巣友季子(翻訳家、文芸評論家)
西光寺 高僧英淳住職
崔鎬吉(徳間書店)
信濃八太郎(イラストレーター)
信濃路鶯谷店
柴﨑淑郎(講談社)
清水陽介(文藝春秋)
新庄耕(作家)
鈴木涼美(作家)
高田文夫(放送作家、タレント)
竹本豊(北國新聞)
田中慎弥(作家)
田中光子(文藝春秋)
田辺栞(元「風花」)
田畑茂樹(新潮社)
玉袋筋太郎(芸人)
爪切男(作家)
豊崎由美(書評家)
丹羽健介(文藝春秋)
浜本茂(本の雑誌社)
藤澤外吉(藤澤清造 親族)
古谷経衝(作家)
町田康(作家)
南沢奈央(女優)
山下敦弘(映画監督)
山田剛史(KADOKAWA)
and more… 全77名
装丁:山田益弘(mount)
編集・制作 木村綾子(COTOGOTOBOOKS)
初版発行日:2022年7月12日
【ご購入後の流れ】
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