2023/07/16 23:59 まで販売
西加奈子さん『くもをさがす』オンライン読書会
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開催日
2023/07/16
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開始時間
15:00
1,100円
※こちらは電子チケットです
※別途発券手数料2%がかかります
※別途発券手数料2%がかかります
販売終了しました
※このページはオンライン読書会チケットのみの販売ページです。
※購入後に送付されるSTORESからの自動配信メールからはイベントに参加できません。読書会参加URLと詳細はコトゴトブックスより6月中旬にメールにてお送りいたします。
※書籍(サイン本限定5冊)付きチケットのお求めはこちらから。
https://cotogotobooks.stores.jp/items/643a3627a75109002b9fd925
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──私は恐れを抱きしめた。私が作り、長らく私を苦しめてきたこの恐れを、私は今こそ自分の、このたった一人の自分のものとして、抱きしめなければならなかった。
西加奈子さんの最新作『くもをさがす』が、河出書房新社より4月19日に刊行されます。
本作は、2021年のコロナ禍の最中、滞在先のカナダで浸潤性乳管がんを宣告されたときから、治療を終えるまでの約8ヶ月間の日々を克明に描いた、著者初のノンフィクション作品です。
〈蜘蛛はどうして、私をあんなにも噛んだのだろう。〉
胸のしこりに気づきながらも、海外で医療を受けることが億劫で、努めて楽観的になっていた日々。蜘蛛に噛まれたことで発覚したがん。
〈8月17日 今日、乳がんと宣告された。〉
その日から付け始めた日記。
慣れない文化、拙い言語で臨む治療。不安や希望や恐れの入り交じる思い、家族や友人からもらった安らぎ、差し出された情で濡れた手。
〈1月13日 もう許してください。〉
医療に寄りかかれる頼もしさ、明日を生きる力を与えてくれた数々の文学作品。それでも「どうして私が。」と思わずにはいられない胸の内。
〈私は私だ。私がニシカナコなのだと、その時、強烈に思った。〉
渦巻く感情の中で自分を取り戻し、寛解したがん。しかし新しい日常に待っていたものとはーー。
〈待って、まだ怖いねん。〉
いちはやく本書を読ませていただき、ひと言めに口を突いたのは、「ありがとう」という感謝の言葉でした。
私自身は幸いなことにまだ大きな病気を経験したことはないけれど、身近な人の病に立ち会う経験は少なからずあり、けれどその日々を、自分の言葉で書き残すという行為を避けていたからです。そうすることで現実に起きていることをうやむやにしたかった。蓋をしたままやり過ごしてきた感情が、だから西さんの言葉によって解かれていくのを感じたのでした。
この本に書かれていることを自分ごととして読む人の数は、等しく、自分も含め大切な命を失うかもしれない不安の日々を過ごした人の数と同じなのではないでしょうか。
治療中の西さんが、数々の文学作品の言葉と共にあったように、『くもをさがす』の言葉に立ち止まって考えたり、前に進む力をもらう人がどれほど多いのか。想像せずにはいられません。
〈私の文章が、あなたの心でどんな音を鳴らすのか、あなたの魂にどんな波紋を作るのかは、分からない。それがどれだけささいで、小さくても、私は私の全てを投げたい。〉
「あなた」への物語として、西さんが言葉を尽くしてくださったその思いに、今度は私たちが、言葉でお返ししませんか?
西さんは今回の読書会に参加されませんが、読書会の記録映像と、参加者から預かった感想やお手紙(事前アンケートにて募ります)は、すべて西さんにお渡しします。
『くもをさがす』の力を借りて、私にも、あなたにも、きっとあった嵐の過酷さ、そしてその美しさを語り合えたらなによりです。共に語らうひとときが、明日を生きる力になれたなら、そんなに嬉しいことはありません。
【オンライン読書会について】
日時:7月16日(日)15:00~17:00
開催方法:zoomミーティング機能を使用します。
参加方法:ビデオ・マイクをONにしてご参加ください(任意)。
・ 参加URLと詳細、事前アンケートは、6月中旬にメールにてお送りいたします。
・アンケートに書いてくださった感想や、西加奈子さんへのメッセージは、読書会後、アーカイブ動画とともに西さんへお渡しいたします。
・イベント終了後にアーカイブ動画をご案内いたします。(アーカイブのみの購入は不可)
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